プロジェクトの歴史

版画家・君島龍輝は「広島市から木版画で世界平和を発信したい!」この思いを実現するため2005年広島に移住します。準備が整い2010年6月2日に初彫りとなります。その日から畳サイズの版木を一枚一枚彫刻刀で彫り進めました。一人で黙々と彫る姿に近所の人たちが感動し、応援として版木の裏面にメッセージを書きいれました。そのメッセージは一枚、また一枚と増え続けました。

《愛と平和のメッセージ1万人プロジェクト》                                                版木の裏のメッセージがやがて近隣の広島工業大学との共同プロジェクトとなります。学校や施設を訪ねて講演やコンサートを開いてメッセージを書いて頂きました。

2011年3月11日東日本大震災が勃発します。一瞬で平和が失われました。戦争が無いことだけが平和では無いと誰もが痛感したときでした。私たちは東北へ向かいました。今何が必要か?自分たちで何ができるか?物資の支援をしているが他には!!

一通のメールが届きました。「南三陸町に巨大木版画を持ってきて元気づけてください」との内容でした。急きょワンボックスに版木を積んで広島から1,300㎞先の南三陸町へ向かいました。仮設住宅集会場で版木を並べコンサートを開催しました。その後は石巻市、仙台市、そして福島、栃木と南下しました。被災地でも版木にメッセージを頂き、それを広島に戻りひたすら彫るのです。

集会場で「何か足らない事は有りますか?」と尋ねたときに「え!?」と思わず口に出るほど意外な言葉を聞きました。それは絵がほしいということでした。「私たちは震災前には普通に写真や絵を飾っていました。しかし今は仮設住宅で殺風景な部屋にいます。でも皆さんからの大切な支援金で絵を買うことはできません」理由を聞いてみると納得だったのです。

《東北へ絵画を贈ろう!プロジェクト》                                                   広島に戻ると東北へ一緒に行った歌手の「Hi-Fu」さんとコンサートを開きました。コンサートの入場料は「一枚の絵」という内容で絵画を集めたのです。子供の描いた絵から飾らなくなった日本画や油絵など沢山の絵画が集まりました。早速、南三陸町や気仙沼市に贈りました。現在までに300枚以上の絵画を東北へ贈り続けています。

《巨大木版画平和プロジェクト》                                                       巨大木版画は2014年11月16日ギネス世界記録の認定となります。いよいよ準備ができたときに、広島平和記念公園に寄贈された折り鶴の再生紙が誕生しました。巨大木版画BANGA COSMO-242を折り鶴再生紙「平和おりひめ」で制作することになります。この木版画を通して国内外に愛と平和を発信します。

一人の版画家が彫り始めた事で沢山の人々が協力してプロジェクトを立ち上げて成功しました。「今自分が出来ることをするだけ」ハチドリの一滴という物語にも出てきますが、大層な事でなくても些細な良い事をする勇気を持ってください。良い行いに恥ずかしさは要りません。私たちは未来に続くプロジェクトを目指しています。

                       巨大木版画平和プロジェクト実行委員会 一同